ブルーノ

パリの恋人のブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

パリの恋人(1957年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 ファッション誌モチーフのタイトルシークエンスが最高にクールなだけに、オープニングナンバーの『Think Pink!』に面食らってしまい、なんだか気恥ずかしい気分になってしまった。ただ、これで免疫がついたのかその後は最高に楽しめた。

 お目当てだったフレッド・アステアの本気ダンスが物語の中盤まで見れないことには少しヤキモキしたが、散々焦らされたあとの『Let's Kiss And Make Up』での爆発には大興奮してしまった。ケイ・トンプソンとの『Clap Yo' Hands』も、髭を生やしてギターを低く持つアステアがなんともユーモラスで最高だった。

 本作で一番衝撃だったのが、何と言ってもオードリー・ヘプバーンのダンスの上手さだ。特に、全身を黒に包んだ彼女がパリのカフェで踊り狂う『Basal Metabolism 』のナンバーでは、従来持っていた彼女へのイメージとあまりにもかけ離れた姿に、衝撃を受けるとともに正直少し戸惑いを感じた。また、劇中の彼女の自己評価は置いといて、ヘプバーンが「Funny Face」というプロットにはいくらなんでも無理を感じた。

 主演二人の明らかな年齢差や突然のキスからのラブストーリーなど素直に感情移入できない面も多々あったが、全体的には楽しめた。古本屋のシーンでカメラを本棚の後ろにおいたり、聞き馴染みのあるエンデングナンバーの『'S Wonderful』も良かった。

【メモ】
・『'S Wonderful』の「'S」というのは、当時流行していた「It's…」の「It」省略をする言い回し。
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