マツモトタクシー

蔵の中のマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

蔵の中(1981年製作の映画)
3.4
横溝正史 原作
「本陣殺人事件」等の高林陽一 監督作品


京都で出版業を営む磯貝三四郎(中尾彬)のもとに蕗谷笛二(フキヤフエジ)という若者が現れ「どうかこれを読んで下さい」と持ち込みの原稿『蔵の中』を置いて帰る

『蔵の中』は裕福な旧家である蕗谷家に暮らす笛二(山中康仁)と伝染性の胸の病にかかった姉の小雪(松原留美子)との日常が書かれており三四郎は原稿を読み始める

小雪は数日前から蕗谷家の蔵の中で寝起きしていたが笛二は病気の感染を心配する家族をよそに姉と蔵の中で過ごすのが好きで毎日母屋から通っていた。。






以下ネタバレ


蔵の中で繰り広げる禁忌で退廃的な姉弟の行いと彼等が蔵から望遠鏡で覗く妻を亡くした三四郎と夫を亡くした愛人のお静(吉行和子)との逢い引き
虚実ない交ぜな2組の様子が描かれる退廃的な人間ドラマ

当時は角川作品も2本立てが多かった記憶でこの作品も「鵺の鳴く夜は恐ろしい」鹿賀丈史、金田一の「悪霊島」と同時上映
どちらも横溝作品ということもあったのかも😀🎬

姉弟を演じた2人は芸能界を引退されている様子で小雪を演じた松原留美子さんは当時ニューハーフとしてかなり話題になった記憶
オカマ等の言葉しかなかったので彼女に対して作られた言葉がニューハーフだったとか。。
アイコンにあるレコードも発売されていました💿

髪の毛は長く女性っぽかったけど体は男のままだったのでニューハーフというより今でいう男の娘かな

大林宣彦監督が金魚屋のチョイ役で出演😁

若い頃の中尾彬さんのギラギラ感と吉行和子さんの色っぽく淫らな絡みが淫靡💕


ラストは蔵の中に閉じ籠っている笛二を訪ねる三四郎
実は小雪は彼が生み出していた妄想だったという落ち。。😅

日本の土着的で退廃的な世界観を楽しめる引きこもり作品