高田ティガ

信さん・炭坑町のセレナーデの高田ティガのレビュー・感想・評価

4.0
大きく二つの場面からなる。


一つ目が1963年、東京オリンピックの前年。田舎町、海、出稼ぎ、炭鉱、チョーセンジン。(mention されてないけど、ひょっとしたら、ここ「部落」では……?とも思った。)
二つ目が7年後、1970年。


ここにはオリンピックのオの字もないし、68-69年の大学紛争や「政治の季節」という言葉もない。
そこには良くも悪くも、そうした"言葉"から追いやられた生活、"政治"に参加できない生活があった。

人々は、歴史を知らず、「いま・ここ」に翻弄され、幸も不幸も知らず、愛し、怒り、悲しむことしかできなかった。

「あんぽんたん」だね。