さわだにわか

危いことなら銭になるのさわだにわかのレビュー・感想・評価

危いことなら銭になる(1962年製作の映画)
4.0
掛け合いや編集は軽妙なタッチだが人死の描写は弾着をきっちり使ってこの時代の映画としてはかなり本格的。盗んだ車をボコボコにしていくシーンなんかも含めて突発的な暴力の表出に全体的にコミック調なだけにギョッとさせられる映画で、名前のないトラックドライバーにさえセリフがあるのに一言もセリフのない郷鍈治の存在にもクールな暴力性が宿っていたりするこの感覚はかなり先駆的なんじゃないだろうか?今で言ったら(今でもないが)初期のタランティーノ映画に近いかもしれない。

札束の舞うオープニング、紙質のおかげでCGに見えてこれも独特。遠景ショットで登場人物の位置を表すのに矢印を使うなんてのも洒落てるねぇ。交差点のシーンはゲリラに見えるがあんなもんよく撮ったな。偽札作業場の造形は清順みたい!総じて、クールな映画だった。
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