秋日和

塀の中の懲りない面々の秋日和のレビュー・感想・評価

塀の中の懲りない面々(1987年製作の映画)
4.0
良い映画だった。始まりは刑務所の入浴シーン。一人が口笛を吹き、つられて周りの受刑者も口笛を次々に吹き始める。行動が伝播していく感じ。ただ同じ牢屋に閉じ込められただけの関係性である彼らが成すからこそ、この場面は良いのだと思う。
狭い空間の中で行動が伝播する現象は、度々起こる。他の受刑者につられて動いてしまうから、彼らはここにいるのだろうなとその度に思う。柳葉敏郎が口にした「一致団結」という言葉とは程遠い関係性。だけど妙な連帯感がある。声に出さない(出せない)ことで見せる作業場のチームワークは、ピッチャーとキャッチャーのサインみたい。
ちょっと感傷的すぎるかもしれないけど、植木等がお酒を飲んでむせるところ良かったな(あれだけで十分に伝わるのに!)。森崎の映画を観ることは、自分の感情に素直に従うことだよなーと思ったりもした。
秋日和

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