TVアニメのダイジェスト版でありながら非常に詩的でドラマチックな作品に仕上げている。さすがは巨匠・出崎統監督だけはあり手堅い娯楽作品。
岡ひろみとお蝶夫人の対決シーンや、少女マンガならではのキュートなキャラデザが観ていてほっこりする。ストップモーション(止め絵)や閃光の使い方などが洒落ており【出崎スタイル】と言われる独自のアニメ技法が確立された記念碑的作品。
死期の迫った宗方コーチとのわずかな時間に託された出逢いや別れ、夢に向かって懸命にテニスに懸ける姿を非常にヒューマンなタッチで描き出した劇場版であり、７０年代アニメーションならではの躍動感が素晴らしかった一編。
同監督の『あしたのジョー』と並ぶ近代日本アニメーションの踏み絵的な作品。やはりこの手のスポ根アニメは侮れない！🎾💨
