舞帝

クラムの舞帝のレビュー・感想・評価

クラム(1994年製作の映画)
3.1
アメリカの著名な漫画家(絵師)らしいロバート・クラムに密着したドキュメンタリー。
正直彼のことも作品のことも一切知らなかったし、ドキュメンタリーということで過度な期待はせずに鑑賞。
そのためクリエイターとしての評価を一旦脇において、あくまで一人の内気で陰気な男の生き様の実録として見た。
基本的に記録映像に近いこともあり評価は抑えめ。

家庭環境や何やらが起因している可能性も勿論あるが、自分が何者でもないという疎外感と、それに由来する爆発的なまでの社会に対するカウンター的な衝動。何よりそれを人生をかけて貫く意志の強さに驚く。
セクシャルな話題は同性愛などは今まさに取り上げられやすいが、彼のような深く昏いテーマについても冷静に考えることが増えてほしいと思う。

個人的には「笑顔は自己防衛の現れ」のような話がグサッと刺さった。
最近笑顔をネガティブな感情を覆いかぶせて隠すために使いがちだったから。
世界から切り離されているような感覚、自分も大切にしていきたい。
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