おくるみ

インビジブル・ウェーブのおくるみのレビュー・感想・評価

インビジブル・ウェーブ(2006年製作の映画)
3.7
殺人を犯した主人公(浅野忠信)がプーケットで身を隠すよう命じられる。移動は船だけど一応ロードムービー。

道中でものや人に翻弄され続ける姿は、海に漂うゴミ袋みたい。ゆらゆら波にのまれたり、沈んだかと思うと浮かび上がったり。最後だけきっぱりと海に沈んで終わり。最初と終わりの象徴的な海の映像は見事だなぁと思った。

浅野忠信は厳密には「オトコマエ」ではなく(犯人顔)「オトコマエオーラ」を出したり引っ込めたり出来る人だった。ゴミ袋役(じゃないけど)を喜々として演じてる感じがよかった。

船の中で登場人物が謎かけのように次々現れるシーンが好き。主人公の呆然と翻弄される感じや閉塞感、不安感が意味ありげなカット割りとか、聞こえないくらいの音楽というか音響と掛け合わさって凝縮されていくのにぞくぞくした。

別の楽しみ方として、意味があるのかないのかよくわからないカットや、んなあほな!というシーンがあちこちにあるので、4、5人で見た後に「ドアに気をつけろってそーゆー事か!」とか「なんで吉田拓郎やねん」とかツッコミ入れたりすると楽しいと思う。

男子が夢中になって遊ぶ時のやみくもな集中力。こういうやんちゃなにおい好きだなー。次は男に生まれたい私にはうらやましくおもった。
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