よしおスタンダード

花のよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

(2002年製作の映画)
4.5
人はなぜ旅をするのか・・。

人はなぜ、花を愛でるのか・・。

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他の人がこの映画に何点つけようが関係ない。

いいものはいい、自分が納得できればいい。

こういう映画こそ、「絶対に早送りして見ちゃいけない、数分の動画にまとめて紹介しちゃいけない」

情感溢れる名作というのである。

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実は、本作、見るのは二度目だ。

初見は多分15年は前になるかと思うが、なぜかまったく覚えていなかった。いい映画だったかどうかすら覚えていなかった。

ところが今回、再見して、不覚にも柄本、大沢の超絶的な情感たっぷり演技に、泣かされてしまった。

それだけ自分も年をとったということだろう。

それにしてもまぁ、大沢のたたずまい、愁いを帯びた横顔の何とかっこよく、惚れ惚れすることか。

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本作がデビューとなった西谷真一監督が、敬愛してやまない故・相米慎二監督への思いを込め、製作された。

本作の公開が2003年、製作開始が2002年。

相米が亡くなったのはその前年、2001年の9月なので、

没後すぐに企画が立ち上がったと思われる。

そして、本作には、かつての相米組からたくさんのスタッフ・キャストが再結集している。

本作の撮影・町田博は、相米の遺作『風花 kaza-hana』で相米とタッグを組み、

脚本の奥寺佐渡子は、『お引越し』で脚本を担当している。

俳優陣からは、

相米組常連の柄本明(『セーラー服と機関銃』『夏の庭 The Friends』『風花 kaza-hana』)、

牧瀬里穂(『東京上空いらっしゃいませ』でデビュー)、

椎名桔平(『風花 kaza-hana』にチョイ役)、

そして藤村志保(『あ、春』)が出演。

(大沢は相米映画には未出演だが、相米が2001年に演出した舞台『DEFILED』に出演している)

相米ファンには何とも贅沢で嬉しいキャスティングである。

そもそもが、柄本・大沢の乗る4WDが、『風花』で浅野忠信と小泉今日子が乗っていた、あのピンクの車なのである。

なお、エンドロールには『スペシャルサンクス 相米慎二』とクレジットされている。

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哀愁を誘う村治佳織のギターが、見ている者の琴線に触れ、心を揺さぶる。