人はなぜ旅をするのか・・。
人はなぜ、花を愛でるのか・・。
=================
他の人がこの映画に何点つけようが関係ない。
いいものはいい、自分が納得できればいい。
こういう映画こそ、「絶対に早送りして見ちゃいけない、数分の動画にまとめて紹介しちゃいけない」
情感溢れる名作というのである。
======================
実は、本作、見るのは二度目だ。
初見は多分15年は前になるかと思うが、なぜかまったく覚えていなかった。いい映画だったかどうかすら覚えていなかった。
ところが今回、再見して、不覚にも柄本、大沢の超絶的な情感たっぷり演技に、泣かされてしまった。
それだけ自分も年をとったということだろう。
それにしてもまぁ、大沢のたたずまい、愁いを帯びた横顔の何とかっこよく、惚れ惚れすることか。
========================
本作がデビューとなった西谷真一監督が、敬愛してやまない故・相米慎二監督への思いを込め、製作された。
本作の公開が2003年、製作開始が2002年。
相米が亡くなったのはその前年、2001年の9月なので、
没後すぐに企画が立ち上がったと思われる。
そして、本作には、かつての相米組からたくさんのスタッフ・キャストが再結集している。
本作の撮影・町田博は、相米の遺作『風花 kaza-hana』で相米とタッグを組み、
脚本の奥寺佐渡子は、『お引越し』で脚本を担当している。
俳優陣からは、
相米組常連の柄本明(『セーラー服と機関銃』『夏の庭 The Friends』『風花 kaza-hana』)、
牧瀬里穂(『東京上空いらっしゃいませ』でデビュー)、
椎名桔平(『風花 kaza-hana』にチョイ役)、
そして藤村志保(『あ、春』)が出演。
(大沢は相米映画には未出演だが、相米が2001年に演出した舞台『DEFILED』に出演している)
相米ファンには何とも贅沢で嬉しいキャスティングである。
そもそもが、柄本・大沢の乗る4WDが、『風花』で浅野忠信と小泉今日子が乗っていた、あのピンクの車なのである。
なお、エンドロールには『スペシャルサンクス 相米慎二』とクレジットされている。
=========================
哀愁を誘う村治佳織のギターが、見ている者の琴線に触れ、心を揺さぶる。