平田一

デス・レース2000年の平田一のレビュー・感想・評価

デス・レース2000年(1975年製作の映画)
3.8
“21世紀の恐怖が爆走する‼ 脅威の超近代マシンが激突する死の大レース!”

もしかしたら『(スター・ウォーズ エピソード1/)ファントム・メナス』にも影響を及ぼした(?)、70年代を代表する傑作カルト映画。B級映画の帝王であるロジャー・コーマンが製作、無名時代のシルベスター・スタローンが出演をしていたことでも知られており、さらにはトム・クルーズが自らの製作・主演でリメイク映画を作りたがっていたことでも話題を呼んだ(後に2008年にリメイク版が公開)。

時は西暦2000年。国民から絶大な支持を集める“デス・レース”が今年も5名のレーサーを集めて、開催される。ニューヨークからロサンゼルスを横断するこのレースは、競技中にレーサーが一般市民を轢き殺せば、年齢や性別に応じてポイントが加算され、レーサーらは意気揚々とポイントを稼いでく。しかしレースの裏側ではレジスタンスが動き出し、様々な思惑が交わり、事態は混沌に――。

“広報”のみで機能しているメディアに対する冷笑や、殺人レースを歓迎している国民含めた支持者視点……ホントB級なんだけど、何故かちょいちょい戻りたくなる磁力を備えるズルさも然り、納得のカルト・ムービーで、本当に不思議です。何が一番不思議かって、終始シュールで緊張感もあるってわけではないはずなのに(牧歌的なBGMがこれまた拍車をかけているw)、面白さが担保されてることが一番ビックリです。レースカーは安っぽく、いかにも低予算なのに、アイデアの勝利だらけなところがホントに素晴らしく、同時にここではエンタメとして消費される「殺人行為」、独裁国家の隷下と化してる側近やメディアとか、それらを皮肉たっぷりに描いてるのがたまらなく、そのまま“今”に置き換えることも出来るところも素敵です!

何気に現在オンエア中の「(機動戦士ガンダム)水星の魔女」における“とあるキャラ”に通じるところを主役に感じて面白く(ヒントはハッピーバースデーを歌い続けたあのキャラです)、サブキャラのカラミティが結構ツンデレキャラだとか、色んなところで楽しいところを見つけられるのも良いし、何でしょうね? 何でこんなに楽しさ発見できるんだ?w

まあ、終始B級なので、好き嫌いは絶対あるが、きっとまたデス・レースに戻ってきちゃいますねこれw でもこれを見た後にファントム・メナスのレースを見たら(来週Disney+で観ます)、色々とニヤニヤしちゃうところが見つかるでしょうね(トム・クルーズはその感じでリメイクしたがってたのかな?)w
平田一

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