岡本喜八監督による独立愚連隊シリーズ第三弾。キャストは佐藤允、加山雄三、砂塚秀夫、田中邦衛などなど
舞台は北支戦線。ある日、師団司令部から派遣された一人の大尉が八路軍によって誘拐された。師団司令部の命令により、この大尉の奪還命令が特務隊長の白虎に命令された。彼はエリート兵士ではなく、ろくでなしの兵隊4名を連れてきて奪還に乗り出すのだが…
独立愚連隊シリーズ第三弾。個人的にはバッドエンディングが好きなので、西へのようなハッピーエンドの作品に似ていて個人的にはあまり響かなかったものの、ところどころの外連味の利いた演出にはやはり頭が上がらない。
トラックに乗っている兵隊たちが地雷を踏んで蜘蛛の子を散らすように荷台から飛び降りるシーンを真上から撮り、そこに麻雀をぐちゃぐちゃさせるカットを加えるというのは斬新というか、やはり喜八さんのアイデアってすげえやと感心させられるのであった。
拉致られた関大尉が自分が銃殺を命じてしまった男の幻影に苛まされるシーンなどがあるが、このような演出も岡本喜八さんだからこそできるのであるなと思いましたね。
中丸忠雄さんは毎回悪役やらされてなんか可哀想と言いますかね。この映画でも悪役をやらされています。西へではそうではなかったのですが、今回はある程度仁義や掟も守る悪役であるものの、最後は自滅していってしまうという可哀想な展開に。
今回は旅の一団が、加山雄三、佐藤允、砂塚秀夫、中川一郎、田中邦衛という濃すぎるメンバーで構成されている。一番影が薄い中川一郎があんなよくわからないラストを迎えるのが可哀想であった。
日本軍のために戦っていたのに、最後にはその日本軍に見捨てられてしまうという白虎隊が、最後には生きるために開き直って明るく終わるという展開は、喜八さんらしい反戦メッセージが滲み出る。やはりこうやって最終的にはこのような反戦メッセージを加えないと喜八さんらしくない。
いずれにせよ、見れて良かったと思います。砂塚秀夫の忍術シーンがあまりにもシュールでした。