【第19回カンヌ映画祭 審査員特別賞】
『007は二度死ぬ』ルイス・ギルバート監督作品。ビル・ノートン原作の舞台劇を映画化。カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞、アカデミー賞では作品賞他全5部門にノミネートされた。
今やベテラン俳優となったマイケル・ケインが稀代の色情師を演じている。若きケインをみるというのがこの作品の肝かな。話としては大したことないが不思議に魅せる。
今の言葉で言うとヤリ〇ンのアルフィーが女性たちを引っ掛けていく話。時々こちらに語りかけてくるという演出は面白い。
アルフィーには女が全て。逆に言うとそれ以外のものは彼にはない。女性に対する性欲だけ。中身がない美男という役を独特の色気とチャーミングさをもって演じたケインが素晴らしい。
そんなに賞を受けるほどの作品ではないと思ったが、アルフィーの女性遍歴とその行方を皮肉交じりに語っていく演出は端正でいい。