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人蛇大戦・蛇のHKのレビュー・感想・評価

人蛇大戦・蛇(1982年製作の映画)
3.9
台湾・香港合作のパニックホラー映画。監督はオウ・ザイケイ。キャストはリ・エン、リ・ミン・ロウなどなど

とある建設業者がマンションを建てようとしていた。その企業は悪徳企業で、若い設計士に安普請でもいいから期限までに仕上げろと命令した。その工事現場で何と10万匹もの蛇と遭遇する。身内は殺したら呪われるというが、社長や作業員は聞く耳持たず殺してしまう。果たしてどうなるのか…

スネークフライトとかアナコンダが思い浮かぶ蛇によるパニックホラー映画ではあるが、この映画はいかにもアジア的な果し合いという名の元、見事なまでな仕上がりで見ていてとても良かったと思いますね。

もう序盤の穴場みたいな所に何百匹もの蛇が溜まっているのですが、それをただただ殺すシークエンスを大量に見せられる。ここも本当に首を叩き割ったり切ったりして殺しているからえげつない。動物愛護団体の人たちが見たら卒倒もの、憤死ものですよこれ。とにかく蛇を工事道具で滅多打ちにして蛇の血潮が出来上がる。酷すぎる所業に私たちの人々に対する怒りもマックスになるわけです。

ここから、蛇どもによる壮絶な果し合いが始まります。まず手始めにどこかの市場でハブの生き血を飲んで精力全開で女性と夜の営みをしている男と女が潜む部屋に大量に残った蛇たちがスニーキングミッションして侵入。そこで一気に襲い掛かりその男を葬る。

その後は残りの作業員が泊っている寮にスニーキングミッション。そこでも見事に葬る。ダイナソークライシスでも同じような描写ありますけどこういうB級モンスターパニックで小便をするのは厳禁ですね。見事なまでにアンモニアで死亡フラグを引き立てる。

その後に、またしてもそこにいる蛇たちが警察たちによって除去されてしまいますが、そこでマングース等による蛇の撃退シーンが永遠に流れますね。あれも本当に殺させたんでしょうね。ちょっと演出過剰で倫理的にはぶっ飛んでますけど、ここまでしたんだから面白いのかもしれません。

マンションにいる人たちとかはとにかく70年代らしい雰囲気を包んでおります。とにかくスラップスティックでそういう人たちをコミカルに描くきながらもちょっと今見ると際どいくらいにモラルのなく描くのが特徴。なんか本当に山口和彦の映画に出てくる見たいな外連味が効きすぎた登場人物なんですよ。

あの太ったおばさんが食事をする所に豚のカットをサブリミナルに入れるなんてちょっと悪趣味にもほどがあるけど、それでも荒唐無稽で面白すぎる。やはりぶっ飛んでるんですよね。

そしてそんな人たちがついに大量に色んな蛇たちに襲われてしまいます。この映画における一番の見せ所ですよね。とにかく大量の蛇が70年独特のサイケデリックな音楽にのせて侵入してくるわけです。タランティーノとか絶対好きになりそうこの映画。

その後はひたすら蛇たちによるマンション住人の虐殺が始まります。そして最後は消防隊がなんと火炎放射器で…ここまでバイオレンスながらも面白いと思える作品って中々なかったと思いますよね。

劇中で蛇使いの達人みたいな人が大蛇撃退のために先陣に出るのですが、なんか本当にこいつ達人かと思えるくらいに弱々しいのです。それで特撮を使ったアクションもなんか安っぽいのもいい味だしてますよ。

いずれにしても個人的には見れて良かったと思いますね。なんか終盤の展開は蛇に共感しちゃったせいでざまあみろと思いました。見事な復讐映画だと思いますよ。最後の終わり方は唐突ながらもああいう突き放した終わり方も大好きですね。

見れて良かったと思います。hideharuさんのレビューで面白そうに感じたので見てみましたが本当に良かったです。ありがとうございます。
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