さりさり

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のさりさりのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

不思議な魅力のある映画だし、途中からとても惹きつけられるものがありました。
夕暮れのブーメランのシーンが特に好きで、あのシーンは本当に美しかった。

正直、最初の5分で観るのやめようかと思ったんだけど、いや、5分でやめるのはあまりにも人として軽はずみな行動だろうと思い直し、とりあえず30分くらいは頑張ろうと観続けたのですが、それは苦しい修行になりました。
とにかくあのヒステリックな女主人・ブレンダの声を聴くだけで「この人は何でいつもこんなに怒ってるんだろう?」って、こっちまでイライラしました。

でも中盤あたりから、ジャスミンの不思議な魅力でブレンダの心も柔らかくときほぐれ、何だかとてもいい雰囲気になり、私の気持ちもフッと軽くなって来ました。
「おっ、これは修行の成果が出て来たゾ」と嬉しくなったのです。

が、最後の最後で撃沈しました。

何ですか、あの煌びやかな手品ショーは!
素人のちょっとしたお披露目程度の手品だから味があって良かったのに、最後あんな派手派手なステージにまで変貌しちゃって、
出来過ぎだろ〜!
歌上手過ぎだし!
ピアノも上手過ぎ!
照明いらん!
って一気に引きました。
スミマセン、こういう出来過ぎたハッピーエンドは性に合わなかった…。
これは大人のおとぎ話だったのでしょうか。

「みんな仲良すぎ」って言って、一人ホテルを出て行った “刺青師のお姉さん” の気持ちが、何となくわかる気がしました。
さりさり

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