さわら

三匹の侍のさわらのレビュー・感想・評価

三匹の侍(1964年製作の映画)
3.5
泥くさく、無骨で逞しい感じすらある姿は「三人」ではなく確かに「三匹」だ。丹波哲郎・平幹二朗・長門勇の面構えがどれもいい。ちなみに僕は圧倒的長門勇推し。

音にこだわり、リアリティを求めた殺陣演出に注目されがちだがドラマも十分おもしろい。
たまたま居合わせたならず者たちが、何の因果か、見ず知らずの農民たちのために戦う。五社英雄ドラマらしく、戦いの後に残るのは達成感とは程遠い虚無感だ。安易な英雄談で終わらない。ラスト、過剰なほどの砂埃も暗澹たる気分にさせてくれていい。