ハテナ

夜は千の眼を持つのハテナのレビュー・感想・評価

夜は千の眼を持つ(1947年製作の映画)
2.5
コールドリーディング系の見世物をしているうちに、本当に未来が見えるようになってしまった男の話。
千里眼は必ずしも良い能力ではない、っていうのがしみじみと感じられる。

物語の主役となる男はエスパーのような見世物をしていて、観客の悩みを言い当てて解決する、というネタで日銭を稼いでいた。事前調査さえ怠らなければ誰でもできそうなこのトリックだが、徐々に彼は天啓のように、いくらか先のビジョンが見えるようになっていく。
ギャンブルを当てたり、投資に成功したりしているうちはまだよかったが、やがて彼は、フィアンセと自分が結婚すると、フィアンセが死んでしまう、という未来を見てしまう……。

未来は見えても、変えられない運命。それに対していったんは絶望した男の最後のあがきと、それを冷笑する人々。変わり者の危険人物とみなされても必死に運命に逆らおうとする男のドラマが良かったです。

観た日:2023/2/19
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