あおき

アメリカン・サイコのあおきのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.5
直球のサイコホラーかと思ったらそれなりに社会に毒を吐いた作品だった…!

今は多分そんな時代でないかもしれないが、いわゆる「腕時計のブランドで評価されたりマウントを取られたりする」みたいな、社会人の仕事や嗜みにある古典的マナーの気持ち悪さを揶揄した映画だと解釈した。

社会人として溶け込み体よく生きるとは、仕事でもプライベートでも自他の評価や社会の移ろいに常に敏感でなければならぬということ。
流行に順応しなければというストレスが、差別意識や破壊衝動を膨れ上がらせる。

その一方で、社会人の嗜みやライフスタイルは各自がこだわりを持っているように見えて、実は普遍化してしまっている。アイデンティティーや自他に対する興味が欠落しているビジネス界。

過敏でありながら無関心な病んだ社会では、個人の精神病質すら大した問題ではなく、忌避される
あおき

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