生きていく上で必要不可欠な家。
その家を手に入れるために、失われていくもっと大切なもの。
本当に手に入れたかったのは、守りたかったのは何だったのか。
誰も悪くない、誰のせいでもないのに…
ただそれぞれが、自分の人生に必死だっただけ。守るべきものを必死で守りたかっただけ。
ただ、その必死さ故に生まれる執着や敵対心が奇跡的に絡まり合い、関わり合うすべてのものを巻き込んで悲劇のどん底へと転がり落ちていく。
必死になって掴もうとすればするほど、"砂"と"霧"のように掴もうとする手の指からこぼれ落ちて消えていく、帰るべきところ、"家"。
やるせなくて、やるせなくて、観終わった後も、心はしばらく霧の中。