星降る夜にあの場所で

白く渇いた季節の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

白く渇いた季節(1989年製作の映画)
4.3
反アパルトヘイト映画の秀作です。
昔名画座で1度、所有DVDで2度鑑賞。

ビデオでのレンタルしかないようなので、レビューが少ないのでしょうか。
生々しいカットの連続ですが、これがリアルにあったというのですから驚きです。
アパルトヘイトを題材にした作品は他にも観てきましたが、
史実はもちろん映像としても最も衝撃的な作品ではないでしょうか。

[マーロン・ブランド]
本作品での役柄は黒人への過剰リンチでの致死罪を訴える弁護士。
もう立ち上がるのも一苦労、かなりの巨漢になっています。
Wiki等でも記されていますが、あのマーロンが考えられない条件で出演しています。
GFでのオスカー授与式辞退は余りにも有名なエピソードですが、人種差別に対する正義は幼少期に培われ死ぬまで貫き通したそうです。
そういう意味から、この役柄はは彼にとって思い入れの強い役柄なのです。

シーンは2シーンのみ。
サザーランドが演じる歴史教師がマーロン・ブランドに弁護を頼みにきます。
現状での勝訴は不可能であると言いながらも弁護を引き受けます。
何とも胡散臭い雰囲気を醸し出しつつ、黒人差別へのJustice spiritsを眼光に宿らせる演技は流石です。

そして裁判シーン。

GFをご覧になった方ならご存知でしょうが、タッタリアとの和解のためにニューヨーク五大ファミリーを集めて会談を行い、ヴィト―が演説するシーンがあります。
この説得力のある演説には誰もが魅了されたことでしょう。

本作でも裁判官及び証人とのやり取りは圧巻の素晴らしさ。
この人、役者にならなかったら弁護士になってたんじゃなかろうか?(笑)
しかも、アパルトヘイトに関する裁判という設定だけに地で演じているようにさえ思います。