三四郎

今日のいのちの三四郎のレビュー・感想・評価

今日のいのち(1957年製作の映画)
3.2
有閑マダムの役が多い細川ちか子。この女優さん、とっても印象的なんだよなぁ。本当に上品な感じで育ちが良さそうだ。実際、生まれ育ちが麹町で父親は弁護士だったようだからお嬢様なのだろうが、一見冷たそうな切長の目に鼻筋の通った瓜実顔。一度見たら忘れられない魅惑的な顔だ。高峰三枝子をもっと厳しくした感じで、三枝子の顔の方が愛嬌があるように思える、そのくらい氷のような冷たさを感じる顔だ。

津川雅彦は松竹のイメージが強いが、最初、日活から俳優人生を始めたんだよなぁ…と思いながら観ていた。
戦前からの日活の重鎮田坂具隆監督の作品故に重厚な映画だった。文藝映画はこう撮るものだと教えてくれる、そんな作品だ。

石原裕次郎は後半に少し登場するくらいで、北原三枝を中心として描かれている。彼女を慕い愛している津川雅彦は可愛らしかった。

生まれや家柄の違いで結婚できない、そんな男女の悲劇は昔に比べれば減ったと思うが、まだ現代でも、ある階級以上、そして職業によっては現実にいくらでもあるかもしれない。
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