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女人哀愁のふかいのレビュー・感想・評価

女人哀愁(1937年製作の映画)
4.3
どストレートな成瀬流フェミニズム映画。ガチガチのジェンダーロールに縛られたセレブ家庭に入り込む(嫁ぐ)庶民的な女性が、台詞でも出てくるように"道具的"な扱いを受けながら自身の意思を貫き通すまで。成瀬が描き続けてきたテーマはまさに「女人哀愁」、それまでセンターに来ることがなかった男性中心社会の周縁と言える抑圧された女性達の視点である。
嫁ぎ先の息子は勉強の指導を依頼し、娘は5時起きのモーニングコール、父は肩揉み、突然の来客…など次々とメイド的な仕事を頼まれる滑らかなシークエンスが見ていて気持ちいい(主題的には胸糞ではあるが)
姑が麻雀をしながら「あんな従属的な生き方楽しいのかしら」と嘲笑するシーン。その直後に挟まれるヒロインの無言の表情は映画的としか言えない。
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