おくちん

夕凪の街 桜の国のおくちんのレビュー・感想・評価

夕凪の街 桜の国(2007年製作の映画)
3.5
DVDにて鑑賞。「この世界の片隅に」を観に行ってから知った作品。映画版を初めて観ました。戦争は、原爆は人の存在そのものを否定するものなんだと感じました。亡くなった人がいるのに自分だけ生きていていいの。なんて残酷な問いかけなんだろう。生きていてダメな人なんていないのに、生きることが罪であるはずがないのに。またこんなにも辛い思いをして、被爆者への差別があり、なんでこんなに苦しまなくてはならないんだろうとやるせない気持ちになります。皆実の言った、原爆を落とした人はまた一人殺せたって思ってくれてるって言葉にドキッとしました。普通に一生懸命に生きている人がたくさんいたことを忘れてはいけません。あの戦争は、原爆が何か特別なことではなく、僕らと何の変わりもない日常を過ごしていた人が犠牲になったんだということを忘れてはいけないと思いました。原作者のこうの史代さんが描く女性は愛らしくて、素敵です。映画版も良かったです。