組に入らない(入れない?)一匹狼気取りのチンピラ兵卒が、男気溢れる上官に男惚れしたり威張り散らす下士官とやりあったり、慰安婦の女性と恋に落ちたり……と、まさに雄溢れるドタバタ戦争映画。
ラストシーンの雑さというか、思い切りの良さというか、とにかくああいう締め方は心がスっとして個人的にとても好きなので、満足度の高い作品だった。
ここからは蛇足。
この作品は2019年ラピュタ阿佐ヶ谷での石井輝男特集で視聴したのだが、つい先日
「健さんも“こういう役”をやっていたんだね」と、いわゆる団塊の世代の方の声を聞いた。
「不器用ですから」、の「高倉健のイメージ」が強い世代には、ヤンチャ坊主のような健さんにはやはり違和感があるのだろうか。
訃報から高倉健という存在を認知し、数年後に「網走番外地」でファンになった自分にとっては、この作品のような健さんの方がむしろ自然で、ただ純粋に愛らしいなあという気持ちで見られるのだが。
1960年代半ば以降に「日本俠客伝」がヒットしてから、現在世間一般に流布しているような「高倉健」が作り上げられていったのだろうが、
短気でちょっと間抜けな健さんキャラも、もっと愛されたらいいなと思う今日この頃。