ヤマニシ

王立宇宙軍 オネアミスの翼のヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 ヒロインのキャラデザが可愛くない。デザインもそうだけどあんまりキャラクターとしても見せ場とかがあるわけじゃないので魅力的に感じない。信心深いんですね、くらいのイメージしかない。あと、レイプされそうになったのに相手に謝罪して、そのあと何もなかったみたいに振舞うの怖、って思った。主人公もあんまり魅力的じゃない。序盤とかの無気力な感じで応援したい気持ちにならなかったし、宇宙飛行士に立候補した後もイマイチ誠実に思えなかった。きちんと訓練してる描写はあったけど、意欲があるようにはどうも見えなかった。最後にスタッフに喝を入れるシーンもお前そんなに熱いやつだっけ?って思ってしまった。その他に気になったのは博士。実験中の事故死なのはしゃーないとして、思いっきり危機管理おろそかにしてたせいなのがみっともない。それがなければいいキャラになれたのにな、と思う。その他、学生みたいなノリのキャラが多くてキツかった。
 設定面もなんかよくわからんなと思ったところが多い。国の威信をかけるようなプロジェクトみたいな扱われ方しているのに、肝心の宇宙飛行士の選抜過程があまりにも杜撰。スタッフもかなり少数で、描写と設定とが嚙み合っていない。それにかなり金をかけているっぽいのに、あえて敵国に奪わせようとするのもだいぶ強引なストーリーじゃない?打ち上げ直前のハラハラ感を出したかったんだろうけど、意味がよくわからなかった。
 美術設定も当時の流行りか知らんが、ジブリを想起してしまった。架空のメカ(往々にしてゴテゴテしてる)がいっぱい出てきたり、町中が嫌に古めかしかったり。ラピュタあたりの雰囲気。悪いわけじゃないけど斬新さは感じなかった。(そもそもが今の時点から見れば古い映画ではあるけど。)音楽もよくわからないタイミングで盛り上がってたので違和感があった。
 ただ、ロケットの制作過程とか訓練の様子とかを細かく描写するところはよかった。ロケットのリアリティを感じられるし、着々と準備が進んでいるわくわく感は出てた。作画も悪くない。全体的にストーリーが薄いのが残念。過激派に追われるくだりとか要る?
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