さかい

許されざる者のさかいのネタバレレビュー・内容・結末

許されざる者(1992年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

※ラストのオチ、主要人物の結末にまで触れてます




許されざる者①
主人公ウィリアム・マニー
「許されざる者」ってきっと主人公にも掛かってそうだなと思ってたから最後までヒヤヒヤしたが、意外にもハッピー?エンド。
冒頭の、困窮して豚の世話にも悪戦苦闘してる様子は「今までずっと暴力で生きてきた奴が本当に心を入れ替えてもそうそう上手くいかない」
というのがなんともせつなくも現実的に感じたのだけれど、その後商売で成功しちゃってたとは。意外な才能というか、どんな商売なんだか…
子供もいるしきっと恐らくまともな仕事だろう多分。

許されざる者②
保安官リトル・ビル。本作の悪役。
弱い者を守らないアメリカの正義、サル山の大将、マチズモの権化。
コイツがまたペチャペチャペチャペチャ、口数の多いこと多いこと。131分のうち合計20分間ぐらいは喋ってそう
印象としてはサイアクなのだが、
「旅の人の銃携帯はNG」は元々ある町のルールだし、保安官が無法者相手に数を恃んで攻めるのも卑怯とはいえない。
彼の一番の罪は、「絶対に怒らせてはいけない奴を怒らせてしまったこと」だったかもしれない…
プライベートでは木材からの自宅造りに熱中しているという普通の人な一面もあり(ただし仕事では「弱い人を守らない正義」)
また「アメリカを田舎とか野蛮とかバカにしてるイギリス野郎」をボコってみせるのは一種アメリカンの本音の代弁でもあったかもしれない。

許されざる者③
娼婦デライラ。ヒロイン的ポジション
「搾取・抑圧され理不尽な仕打ちにも泣き寝入りする女性たち」「という状況に対し女性らで連帯し報復を試みる」というテーマがありそう
お客のモノが粗末でつい笑ってしまったらキレられて、バガボンドの草薙天鬼のように顔じゅうを切りつけられる暴行をうける。
(客のモノを笑ったら殺されたとか、似たような話どっかで見たような…思い出せない。よくある話?)
男の仕打ちは不当にしても、人の身体的特徴をあざ笑う・ましてセクシャルな部位を笑い著しく羞恥させる
というのは許されざるよ。


2021.12.24トーク上映にて。
今回が初鑑賞。渡辺謙の日本リメイク版もまだ観てなかったので近いうちに。
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