チーズマン

アメイジング・スパイダーマンのチーズマンのレビュー・感想・評価

3.3
マーク・ウェブ監督/アンドリュー・ガーフィールド版のスパイダーマンですね。
こちらも観返してみましたが、映画館で観た記憶もあってかそこまで懐かしい感じはしなかったですね。

当時はそこまで思わなかったですが、今観ると明らかに『ダークナイト』以降のスパイダーマンという感じでした。
サム・ライミ版と比べるとリアル志向でシリアスな雰囲気で、夜のシーンが多いこともあってか全体的に画面が暗かった印象が残ります。
なんかもうスパイダーマンの目とかも黒っぽいですしね。


同じマーベル映画でもアベンジャーズとかの明るいシリーズのMCUのラインとはまた別のSONY/コロンビアのラインで作られたということで、差別化の意図も多少あったのかもしれませんね。
どちらかと言えばDC寄りな印象でした。例えばスパイダーマンのスーツのギラついたメタリック感みたいな質感やデザインもスナイダー版スパイダーマンのスーツみたいだったし、陰影を感じる美しい画みたい映像もぽかったですね。

そして監督のマーク・ウェブですが、『500日のサマー』の次にいきなりアメコミ映画の監督に抜擢されたということで、当時は結構驚きましたね。

となると当然ピーター・パーカーの人物像も変わり、今回のパーカーはサム・ライミ版の非モテというかカリカチュアされた童貞っぽさとは違い、マーク・ウェブ監督作品に出てきそうなそれこそ『500日のサマー』に出てきそうな草食系男子になっていて、人気者ではないが別に非モテというほどじゃないくらいの、全然普通にいそうな感じの等身大の若者で、それはそれで良かったですね。

しかし、「スナイダーやノーランのアメコミ映画みたいにダークやシリアスな感じでよろしく」と偉い人に言われたのかは分かりませんが、スパイダーマンという題材的にそうならないし、そもそも暗めのテイストとマーク・ウェブ監督との食い合わせがこのリブート1作目に関してはあまり良くなかった気がします。
もちろんウェブ監督なのでヒューマンドラマや恋愛コメディ的な部分はそれ単体では良いシーンはありますが、それはスパイダーマンが出てない場面だったりします。


スパイダーマンはニューヨークの街のヒーローで、その街が味方してくれるという描き方は良かったです。


個人的に思ったのは、今回のスパイダーマンはマスクを脱いでる場面がやたら多いんですよね。
そもそも正体がバレるのも早いですしね。サム・ライミ版と比べてパーカー周りの設定がやたら入り組んでることからも今回はパーカーのヒューマンドラマ的な要素に重点があるので、戦闘シーンなどでもスーツに顔だけむき出しなのとあえてのことだと思いますが。

ただ、そこが気になってしまって、最後の方の場面でパーカーがスパイダーマンのマスクをある人物から手渡されるとても感動的な場面なのに「スパイダーマンの映画だぞ、いいかげんマスク被れよ」と言われてるように見えてしまいました。笑
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