このレビューはネタバレを含みます
容赦がない事に定評のあるフレンチホラー。
2000年初頭に起こったおぞましいフレンチホラーニューウェイブの、切り込み隊長的な本作。
「テクニカルなスプラッター」という点で、非常に希有な存在に思う。
死霊のはらわた、デモンズ、ブレインデッド、悪魔の毒々モンスター…。
ノリと勢いのB級スプラッターも大好きだけど、この映画は非常にシリアス。
演出の上手い所でいうと、序盤のとあるシーン。
「リラックスしているタイミングで襲われる」というのは大きな恐怖を感じる演出で、有名所ならばエルム街の悪夢の「風呂場でのうたた寝」。
本作でのリラックスシーンは、「イヤホンしながらオナニー」。
これは、「風呂場でのうたた寝」を超えたのではなかろうか。
このタイミングで襲われたら死亡不可避ですわ。
同時に、レズビアンである事も示唆していて、ここは結末への重大な伏線になるという心憎さ。
小さな弟くんまで容赦なく殺される過激なスプラッタと、オチのどんでん返し、伏線をちりばめながらもラストを悟らせない丁寧さと、とにかく高完成度。
この後に続く超過激フレンチホラーの先駆けでもあり、スプラッタ好きならば一度は見るべき映画。