矢嶋

映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!の矢嶋のレビュー・感想・評価

3.7
TARAKOさんのこともあって久しぶりに見返した。

本作には明白な欠点があって、ただでさえ初代にキャラデザを寄せているのに映画のテーマまで喧嘩して仲直りと似通っている。そこがよく出来ていればいいのだが、普段以上に尺が短いせいもあって仲直りの過程が少々雑になっている。ようするに、なにかきっかけがあったというよりは別れてみたら大切だと気付いたパターンだ。また、初代は喧嘩のさせ方が上手かったが、本作に関しては咲が糞すぎるのもよくない。

…の割に結構好きなのはまず作画レベルの高さ。戦闘シーン自体が短いのもあってか、シリーズ全体で見てもかなり気合が入っている。何故か仲直り後より喧嘩中の方が動いているが。
また、仲直り後の徐々に変身していくシーンも素晴らしい。こういうのは、その後もドキプリの40話くらいしか出てきてない気がする。過程が少々雑でも画の力で説得力が与えられていると言える。

ゲストの精霊的なキャラクターは邪魔くさく感じることも多いが、本作では最後まで互いを思い合い、咲舞の仲直りを後押ししているのも好印象。危機的状況でも穏やかなTARAKOさん、熱い想いをぶちまける菊池正美さんはさすがの貫禄があった。

ガンバランスの可愛さもすごくいい。最近のプリキュアの可愛さは深夜アニメ的だと思う。こういう垢ぬけてない感じこそプリキュア…というか女児アニメ的と感じる。サーロインも結構デザインや性格が好きだし、牛になってからもおっかない感じがしてていい。
あと、地味な所だと強化形態が出てこないのも好き。基本的に、プリキュアは変身する程デザインが劣化するので(ライダーやウルトラマン、ガンダムなんかも強化される程足し算されてダサくなりがち)。

ストーリーも雑ではあるが単純明快とも言え、手軽に見られる点もいい。まさか、牛が相手なのに干支が力を貸すとは思わなかったが…
矢嶋

矢嶋