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戦火のかなたのICHIのレビュー・感想・評価

戦火のかなた(1946年製作の映画)
3.6
ロッセリーニの戦争ものはイタリア語によるイタリア人の視点で作られているので、ハリウッド的な、正義のアメリカ、イギリスvs悪のナチスドイツという世界観とは違う作品になっている。かと言ってムッソリーニを肯定するわけでもなく、ファシズムを批判しつつもアメリカ的な価値観にも違和感を覚え、結果として戦争というものの酷さがピュアに描かれる。しかし単なる反戦メッセージ映画ではなく、とても映画的であるところが素晴らしい。この作品でも特に第6話の湿原の草の間を滑るように移動する感覚はなんともいえない見事さだった。
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