ブロオー

ローカル・ヒーロー/夢に生きた男のブロオーのレビュー・感想・評価

5.0
傑作です。
観始めから音楽がいいなと思っていたら、だんだんスコティッシュの音楽が流れてきて良かった。大学時代にケルト音楽のサークルにちょっと身をおいていたこともあり、スコットランドの音楽や岩のごつごつした風景とか懐かしい気持ちになった。サークルにこうした空気を持っている人々がいたなと。
乾杯のときに「スロンチャ」という挨拶を交わすがこれもサークルでやっていた。主人公も「スロンチャ」と挨拶するようになるが、ロシア人の漁師が「ズダローヴィエ」と言い直して通じていなかったと分かるところとか面白い。
宇宙の神秘にとりつかれている社長もどこかで見た題材だけどいいし、ラストの海のシーンも美しい。
なんとなく北野武「ソナチネ」を思い出して、島の持っている港としての立ち位置や漁をして生きていく生活や音楽や踊りがスコットランドにもあるなと思った。島の土地には、人が流れ着いて離れていく、残る人と残される人が残るという侘しさが深く刻まれているように感じた。