SatoEmiko

美しき諍い女(いさかいめ)のSatoEmikoのレビュー・感想・評価

5.0
画家とモデル、出会わなければ生まれなかった作品、出会わなければ直視せずに済んだ事実、出会わなければ知らずに済んだ自分の本当の姿。

妙にリアルな映画で、
暗く閉鎖的なアトリエでのまるで戦っているかのような緊張感のはりつめたデッサンシーンの後、扉が開かれ自由なバカンスの空気あふれる外の世界にシーンがうつれば、私も大きく深呼吸したくなるほど。
画家の終始放つケバケバした空気、幾つもの線が重なりあって次第に絵が生まれる過程を映し出す画家の手元の長回しに、エマニュエル・ベアール演じるモデルの刺すような視線…
こんなに長いのに、時間が経てば経つほど飲み込まれてしまう。

ジャック・リヴェットの映画はどれも魔法のよう。
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