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ダニー・ザ・ドッグのmanacのレビュー・感想・評価

ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)
3.0
色々おかしなことにはなっているが、そこは笑うところだと思えば面白い。

さすがリュック・ベッソン、映像はスタイリッシュ。音楽もクール。
それにジェット・リーのキレッキレのアクションはやっぱり観ていて楽しい。

悪徳高利貸しのバートに犬のように育てられたダニーは、首輪を外して「殺せ」と命じられると狂犬のように襲い掛かってくるのだけれど、首輪を外さないと目の前でバートがフルボッコされててもただ見ているだけ。
そんな首輪はキーアイテムのように度々クローズアップされるけれども、別に暗示かけられているとか、何か人の精神に作用するテクノロジー搭載とかでもなく何の説明もない。なんだったんだ。

ダニーを救う盲目の調律師サムは、何も知らない得体の知れないダニーを17歳の娘がいる自宅に招き入れ家族として受け入れる。娘のヴィクトリアも抵抗も疑問も持たずに受け入れている。
カトラリーの使い方も知らず、会話もあまりできないくらいで狼にでも育てられたかのようなダニーも、サムと過ごすうちに1カ月くらいでメキメキと人間らしくなっていく。
いやいや、そりゃないでしょと思うけれども、あまりに自然過ぎてもうこれはファンタジーかなって。

そして悪役のバートが最高にいいキャラだ。
どう考えても極悪非道の適役なんだけど、どこか憎めない。
何かと「死んだお袋にこう教えられた」とかなんとか言うし、話している最中に邪魔されると何の話してたのだか忘れちゃうし、ダニーを騙すための嘘はスラスラと出て来るし、写真が大好きらしく引き出しにたくさんの写真を詰め込んでいるし、悪いやつなんだけど、妙に人間味を感じる。
2回車で事故っても死なないし、3回目に車が大破したときは吹いた。バートおじさん、哀れ。

全体的な大きな構成は無視して、断片的なキャラ設定とかアクションとかクールな映像を楽しむ映画。
ダニーには悪いけど、やっぱり戦っている時が一番カッコいい。
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