日下勉

どたんばの日下勉のレビュー・感想・評価

どたんば(1957年製作の映画)
3.5
岐阜県御嵩の亜炭鉱で起きた長雨による水没事故と救出を描いた作品。
1957年のキネマ旬報年間ベスト7位。
まず石炭鉱と亜炭鉱が違うことを知らなかった。亜炭は炭素含有量が60%以下の純度の低い石炭で、家庭用燃料として廉価で重宝され、その鉱山は主に零細の鉱山主によって経営され、昭和40年頃には完全に廃れたこと。その廃坑跡が、今でも時折陥没事故など起こし、愛知県北部(春日井)や岐阜県東濃(可児)の自治体のハザードマップに記されていることを知った。
映画の方は事故発生の迫力や、終盤の救出の熱い展開は見ごたえがあるけど、中盤での中弛みが、ちょっと惜しい。
それでも小津安二郎作品ではいつも飲んだくれている東野英治郎がなかなかにカッコいい。
日下勉

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