首塔えい

ヘルハウスの首塔えいのレビュー・感想・評価

ヘルハウス(1973年製作の映画)
4.0
呪いの館に登場人物たちがスムーズに集まるOP、
霊能力者とそれを信じない科学者夫婦という
分かりやすい対立する人物像、
格調高くも館主の変態性が地味に滲み出てる美術と
オカルト・ホラーのツボを心得てた堅実な作りに
好感が持てる。こういうのはムードが大事。
淫靡なムードも漂わせつつも
“エロ”に寄りすぎず、幽霊も実体を見せずに
古典ホラーならではの演出で魅せる。
屋敷モノとしては中々の秀作。
会話劇になる場面もカット割りが凝っていて
ドラマを効果的に盛り上げていたと思う。
これぐらい安定した怖さと納得感を
兼ね備えたホラーって今や貴重。
昨今のホラーと比べるとドラマの規模も狭く
怪奇現象のスケールやビビらせ方も控えめで地味だと思うけど
これぐらいがいいのよ、とも思ったり。
イギリスの映画だったのか、なるほど納得。
舞台劇としても成立するような演技も見応えありました。
首塔えい

首塔えい