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DAGONのSSDDのレビュー・感想・評価

DAGON(2001年製作の映画)
3.3
■概要
株で大金を稼いだ男は連れ立ってヨット旅行を楽しんでいたが、悪天候に見舞われ座礁。小さな漁村に助けを求めるのだが、奇妙な村人達が邪神を崇拝する異常な村であった…。

■感想(ネタバレなし)
ラヴ・クラフト全集を読んでいるところなので、立て続けにクトゥルフ作品を視聴。

-クトゥルフ神話-
ラヴクラフトが描いた宇宙的ホラー作品群の中で出る、人間よりも高等な宇宙生命体を他の作家とシェアユニバースとして共有した作品群のこと。
この生命体は邪神であったり、旧支配者と言われるが基本は人間が目にする、または言葉を聞いてしまうだけで発狂してしまう理不尽な存在。下位の存在であれば目にしたり、意思疎通できるが人間を超える知識、存在のせいでなんらかの精神・身体的影響が発生してしまう。
基本海産物に強い恐怖心があったため、魚類や甲殻類、タコなどが奇妙に組み合わさったビジュアルのものが多い。
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「インスマウスを覆う影」の日本版では"蔭洲升"でスペイン語では"インボッカ"と称して、同様に寂れた漁村を舞台にダゴンと呼ばれる邪神を崇拝する村人とそこに訪れた人間を描く。

本作は日本版とは違いゴア表現や直接的な怪物とのアクション描写があり、日本版の限られた表現の中で作り出されたものとは違い、ほぼ原作に近くかなりエンターテイメント性を持った作品としようと試みている。

序盤からキャストの演技やら会話のやり取りのぎこちなさ、チープな演出と視聴を辞めたくなるレベルのB級映像。
しかし、スペイン語で喋る村人達や、大量の雨で不気味かつ不衛生な場所、クリーチャー造形などは良い。

原作には忠実だがあまりにも展開が似たり寄ったりを繰り返すので、ジャパニーズホラーとコズミックホラーの融合を綺麗に果たしていたし古典的日本ホラー描写でじわじわと恐怖を描いた、日本版の方が好み。










■感想(ネタバレあり)
・血族
日本版と同様血の繋がりで漁村に導かれ、帰属してしまうというバッドエンドは共通してる好み。
本作の終わり方はダゴンのいる穴の深淵に入っていく終わり方はビジュアル的にも良かった。

・クリーチャー造形
足のみがイカのようになっていたり、しっかり怪異に飲まれてしまっている造形はなかなか良かったのだが、タコ足との格闘シーンは見事なほど不出来で迫力に欠ける。
ダゴンは一部だけで全貌が見えないのは謎を残してるのは評価。

・総評
異国語を発して何を言ってるかわからない感じと怪異と化した村人がうろつき目的もわからない感じはホラー感が強いのは良い。

主人公の知性的、ルックス的にも魅力が異常に低く、死のうが生きようがあんまり関心持てない。メガネ拭いてwhat?ばっかりだったり静かにしろと言った後に大声でずっと話したりとかしんどい。

クトゥルフ作品としては原作にちかく作られているのはいんだが、ダゴン教秘密組織と看板に書いてたら阿保でもカルトと気づくだろとか、諸々甘さが目立つ。

理不尽で意味不明でも構わないのでとてつもなく不気味で、おどろおどろしく胸糞みたいなものを望んでるから、頑張ってエンタメ性出さなくていんです。だってそんなにそこ期待してないよって感じですね。
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