【第75回アカデミー賞 外国語映画賞受賞】
『ビヨンド・サイレンス』のカロリーヌ・リンク監督作品。ナチスから逃れてアフリカへ来たユダヤ人家族の物語。この年はアルモドバルの『トーク・トゥ・ハー』とキュアロンの『天国の口、終わりの楽園。』が強かったが、どちらも代表作品に選ばれなかったため漁夫の利を得た作品と言える。
いいところとしては、とにかく撮影が美しい。輝くような質感で捉えられたアフリカの大地と人々、自然は観ているだけで豊かな気分になる。
また少女と現地人の男の子の淡い恋心も爽やかで良かった。
ただ、やはりまたナチスかよ…というのはあるし、原住民を美化しすぎているというのは感じる。原住民、賃金を払ってるとはいえやってることは南部の綿花農場で黒人奴隷をこき使うようなものでしょ。あんなに簡単に受け入れられるとは到底思えない。
あと妻の行動原理がよく分からない。これは単に説明不足なんだと思う。セリフでじゃなくても演出で説明は必須だったと思う。
あと急なズームの多用も気になった。効果的なシーンはあるんだけど、それがあまりに多用されるので鬱陶しくなってくる。
こんなに長い尺は絶対にいらない。長い割に説明不足な点が目立つ。