髙田由美

名もなきアフリカの地での髙田由美のレビュー・感想・評価

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)
3.9
ナチスに人生を変えられた人達がテーマの映画は多くあるけど、これはちょっと異色。自伝的小説がもとの作品らしいけど、期待した以上に見応えがあった。その評価のほとんどはストーリーではなくレギーナとオウアの魅力のおかげ。

娘のレギーナがとてもいい。
偏見や固定観念のない子供の真っ直ぐで柔軟な感性に教えられる部分が多い。見た目のお人形さんの様な可愛らしさと反する強さも彼女の魅力。
大人は経験や知識の多さゆえに愚か、そして弱い。

ケニアで雇われた原地人オウアの人間性も素晴らしい。
彼の包容力と温かさ、そして潔さ。
料理人だけど、弁護士である父ヴァルターより圧倒的に賢く物の道理がわかっている。
レギーナにとってはきっと実の両親よりも信頼できる存在だし、実際にレギーナを育てたのはオウアだと思う。
久々にお手本にしたいと思う人間像に会った。
ここんちの夫婦はどうも子供の親としては幼な過ぎる。とはいえ私自身も大して大人としての貫禄も余裕もない親だけど。

あと思ったのは、やっぱ美人は得。要所要所で美しさを活用。母イエッテルが美人じゃなかったら随分違った話になってただろうな。
髙田由美

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