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ボブ&キャロル&テッド&アリスのSPNminacoのレビュー・感想・評価

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セミナーに感化され、すっかりオープンな関係を自負するようになったボブとキャロル、それに戸惑いながら影響される親友テッドとアリス。ポール・マザースキー脚本監督による、2組の夫婦の愛とセックスと建前と本音。
やはり、理想に突き進んだ後ふと我に帰るというのが70年。だが皮肉ではなく、それでもまだ愛を信じる理想主義。序盤でセミナーへ続く道と集まった人の顔顔顔のショットは、ラストのラスベガスでの人の波とその顔へと辿り着く。そこで見つめ合うお互いの顔。セミナー講師が説いた通り、見つめた顔に真実が見えるのだった。
ともあれナタリー・ウッド&ロバート・カルプ、エリオット・グールド&ダイアン・キャノンのアンサンブル、会話のキャッチボールを堪能する映画。とりわけナタリー・ウッドに圧倒的な華がある。
そして山の中での合宿セミナーとか精神分析医とか、当時のカルチャー。何より、プール付き豪邸に住み、パーティやディナーといった夫婦同士のお付き合いが頻繁にある白人中産階級の暮らしが、今よりもずっと異文化を感じさせる。そもそも子供部屋ときっちり分けた夫婦の寝室=プライベート空間が尊重されてるから、そこを舞台にしたドラマが書けるのだよな。
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