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オール・アバウト・マイ・マザーのmazdaのレビュー・感想・評価

2.5
出てくる人みんな強烈、どの女もみんな苦手。
トランスジェンダー、シングルマザー、レズビアン、エイズ感染者、などなど。
みんなそれぞれ選択した道があり、それぞれ抱えてる問題がある。それぞれ頑張ってたり苦しんでたり。
そこまではいいんだけどどんなにいろいろ抱えてても結局重要なのは人間性だ。上にあげたものはあくまでその人のことを表す要素の1つでしかなく、それがその人を良い悪いと評価する理由にはならない。
差別はしないがひいきだってしない。女性蔑視するあほちんは当然嫌いだが、女であることをを武器にする女も同じくらい嫌い。

濃い人間がたくさん集まったわりに一人一人の中身まで深く掘り下げられてるようには感じず、言い方悪いけどマイノリティを集めて見せ物にしてるようで感情移入もできるわけはなく、あまりいい気分にはならなかった。
とくに息子を亡くした話のことを「辛いからその話はやめて」とすごく悲しそうな顔をしていたのに、その数分後にはしょーもない下ネタでゲラゲラ笑ってて、前日も亡くした話で泣いてたのにすごい切り替え。まあ明るいことだけ考えて早く次に進みたいって考えの人もいるかと思ったけどそれにしても、、、とちょっとひいてしまった。ラテン特有の陽気な性格ってことなのかな。

なんでそもそも彼女はシングルマザーを望んだのか。悲しみを強制したいわけじゃないが、それでも喪失感が伝わらず、何を見せたいんだろうこれはというくらい早い段階で置いてけぼりな気持ちになってしまった。
息子の父も上に書いた類の抱えてるものがあったが、それは別に人間性の問題ではなかった。それ以外に何か一人で育てなきゃいけない理由があったのかどうかわからない。
もちろん世間はこんな父親は問題だと言うかもしれないが、それは問題視ではなく差別だ。もし世間体を気にして息子の存在すらも今まで伝えなかったとすれば彼女自身に、彼のような人への偏見があったことになる。一緒に育てなかった理由になったとしても、会わせなかった理由にはならない。

自由というより自己中心的に見えてしまい、女性がテーマの話とはいえ作中の男性陣の描かれ方の酷さも気になった。偏ってるなあ。
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