夫婦の離婚から、子供を育てる権利を巡って争い、白黒がつくまでのストーリー。誰のことも貶めない、優しく深いヒューマンドラマ。
父親のテッド、母親のジョアンナ、息子のビリー、誰か1人の気持ちに偏ることなく進むところがとても良かった。
誰のことも悪く描かないことで、どの立場の人が見ても考えさせられる映画になっている気がします。
テッドがジョアンナのことをビリーに悪く言わず、ビリーに怒ることはあっても存在を蔑ろにすることはなく、起こったことの責任を家族や友達に転嫁せず、過去の自分の非を認めるところがすてき。
ジョアンナがいなくなった初日と最後の、テッドとビリーの朝食作りのシーンとジョアンナとテッドがエレベーター前で会話するシーンの対比が、とても好きです。
テッドがビリーの存在とジョアンナの気持ちに、真剣に向き合うことをしなければあり得なかったことだろうから。
決して自己満足ではない愛情を描いた、すてきな作品でした。