アキラナウェイ

8人の女たちのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

8人の女たち(2002年製作の映画)
3.2
久し振りにフランソワ・オゾン。

原作はフランスの劇作家ロベール・トマ作の戯曲で、初演は1961年。

なるほど。確かに舞台劇っぽい。
密室ミステリーでありながら、8人の女優が歌うミュージカル調。

クリスマス。郊外の屋敷に集まった家族と使用人達は、屋敷の主人が寝室で背中に短剣を刺され殺されているのを発見する。雪によって閉じ込められた屋敷の中で、容疑者は8人の女達。果たして誰が彼を殺したのか—— 。

ど定番と言えるこのシチュエーション。
好き。

カトリーヌ・ドヌーヴ
イザベル・ユペール
エマニュエル・ベアール
…フランスを代表する女優達がズラリ。

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる、屋敷の主人の妻ギャビーの娘達を演じたヴィルジニー・ルドワイヤンとリュディヴィーヌ・サニエがとってもキュート。8人の女達の平均年齢を下げてくれる女子達が何せ可愛い。

エマニュエル・べアールは、妖艶なメイド姿だし、イザベル・ユペールのキャラが強烈だし。彼女が演じたのは、頭のお堅い神経質なギャビーの妹オーギュスティーヌ。しかし突如美に目覚めてドレスアップする変わり様は、イザベル・ユペールの演技力があってこその二面性。

古典的ミステリーかと思いきや、ちょこちょことゆるめのミュージカルを挟んできてビックリ。

歌は取ってつけたようなもので、
あってもなくても良かったような。
若手の2人の歌とダンスだけはひたすらに萌え。

女同士のドロドロした感情と欲深さと喧しさ。

仕方ないのかも知れないけど、殺人事件が起きたと知って、8人の女達がまぁ五月蝿い。耳栓欲しい。

真面目にミステリーを楽しもうと推理していたけど、どいつもこいつも嘘ばっかり!!全員腹の中がドス黒いゾ。

ミュージカルというのがどうもオゾンぽくないなぁと思って観ていたけど、カトリーヌ・ドヌーヴとファニー・アルダンという熟女2人が急に同性ながら心ときめかせて、床の上で濃厚なキスと絡みを見せてくれる辺りで確信した。

オ ゾ ン だ わ 。