うにたべたい

地球防衛ガールズ P9のうにたべたいのレビュー・感想・評価

地球防衛ガールズ P9(2011年製作の映画)
3.2
河崎実作品のオリジナルビデオシリーズに「地球防衛少女イコちゃん」というものがあり、全3作で完結しているのですが、本作は1990年に完結したイコちゃんの2011年版として作成された作品。
なお、私はイコちゃんシリーズは未視聴です。

地球上で猛威を奮った侵略宇宙人・大怪獣の脅威に対抗すべく設立された地球防衛軍、そこに所属する9人の少女・Paranormal 9、通称"P9"達が本作の主役です。
9人は各人特殊な能力を持ち、射撃の名手、天才パイロット、情報解析のエキスパート、格闘技の達人、超能力保持者、食いしん坊などが揃っています。
そんなP9が所属する地球防衛軍に立ちはだかる宇宙人や怪獣の襲来は、21世紀となった今、再び危機を全く迎えておらず、地球防衛軍は解散の危機に瀕していた。
そこで、P9がパーソナリティを務めるネットテレビ番組で侵略宇宙人や地球で暴れたい怪獣の募集をかけるという、河崎実らしい荒唐無稽なストーリー。

P9の構成メンバーは、AKBとか元ももクロとか、全くの無名を起用している訳では無いようですが、私自信がアイドル関連に明るくないので、9人の顔の見分けが全くつかなかったです。
1人くらい個性的なのがいても良さそうなものなのですが1人たりとも見分けがつかなかったです、せめて髪型を変えるとかしてくれるとありがたいのですが。
なお、9人のメンバーは各々別個の能力を持つという設定ですが、それが活かされるシーンはそんなになく、超能力と大食い以外は設定自体忘れても問題ないレベルです。
ぶっちゃけ9人いる意味もあまりなく、元の作品通りイコちゃん1人でも支障ないシナリオだったんじゃないかと思わなくもないです。

個人的に本作で最も感激したのは、中盤の頭頃、宇宙人を探して色々訪ねるシーンであの「水素獣エッチ」が着ぐるみで登場します。
一体、誰が喜ぶんだ!いい加減にしろ!
ネタがマニアックすぎてもうほんとに大好きです。
ただ、大怪獣と戦うような特撮シーンは、登場から退場までで2分程度しかなく、特撮映画としては見所があまり無いです。
怪獣登場シーンよりも作中P9の歌のシーンの方が多いくらいで、いったい何をやりたいのか、なぜ失態の謝罪として歌を披露する上、CDの宣伝を始めるのか、いつも訳が分からない展開をしますが、本作はそれに輪をかけて展開の繋がりが分からない内容でした。
なお、作中"ハセトン"と書かれた看板を指差して、「ハセトンって何?」と聞くシーンがありましたが、ハセトンって何でしょう?
ググッたところ、この看板は駒込駅近くの元銭湯へ行く地下通路にあるそうなのですが、それ以上の情報が出てこず、モヤモヤしています。

微妙な内容でした。
いつもの河崎実より、一層微妙な感じでした。
なお、最初に一瞬映るゴシップ記事に、タケ魔人像とか、小泉純三郎とか、他の河崎実作品を知っているとニヤリとできる演出があります。