horahuki

ドラキュリアンのhorahukiのレビュー・感想・評価

ドラキュリアン(1987年製作の映画)
4.0
怪物大好きキッズvsモンスター軍団!!
モンスターが好きすぎるキッズたちのクラブ「モンスタースクワッド」がマジもんのモンスターたちと地球の命運をかけたバトルを繰り広げるファミリー向けホラー。

めちゃくちゃ面白い!!
『ザ・プレデター』でタッグを組んだフレッドデッカーとシェーンブラックの初期のタッグ作。VHSの購入をずっと悩んでた映画だったのですが、今年の10月になんとBlu-ray化!どっちにしても買うか悩んでたんだけどクリスマスプレゼントで貰いました!やったぁ!(*^^*)

モンスター側のメンツはドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、ミイラ男、狼男、半魚人ギルマンというユニバーサルモンスターたち。ドラキュラをリーダーとして団結して世界を悪に染めようと動き出すわけです。

それに気づいたのが主人公ショーン少年。母親が買ってくれたヴァンヘルシングの日記(ドイツ語だから読めない…)を譲ってほしいというキュラドラ(偽名がわかりやすすぎ笑)と名乗る男からの電話をキッカケに、警察の父親のもとに入ってきた「博物館のミイラが盗まれた」「狼男と名乗る男が警官殺害し逃走」という情報でモンスターたちの復活を確信。「モンスタースクワッド」を招集し決戦へ備えるという感じのお話です。

このモンスタースクワッドのメンツがそれぞれ良いキャラ。中でもキッズアドベンチャーではお決まりのいじめられっ子デブキャラ枠のホレスくんとひとりだけ中学生で女大好き不良少年なルディくんの2人がとっても良い。

こちらもキッズアドベンチャーあるあるですが、決戦の日の朝に軽快なBGMとともに武器を自前で作ったり、身近なとこから調達したりするのはワクワク感があって楽しいし、徐々に迫り来るモンスターたちとの交戦もそこまで派手なものではないんだけど、コミカルなものだったりハラハラするものだったり飽きさせないものになっている。

ルディくんの体を張ったドラキュラの眷属たちとの決死のバトルは「ルディくんカッコイイ!」ってなってめっちゃテンション上がったし、ギルマンとのバトルを通じていじめっ子に格の違いを見せつけるホレスくんも熱い!

でも個人的に思い入れのあるミイラ男がひ弱でちんちくりんだったのがガッカリ…。片腕吊って足引きずりながら動く姿はユニバーサルの『ミイラの復活』〜『ミイラの呪い』まで続いたカリスたんシリーズ準拠だったのは嬉しいんだけど、やっぱり私が見たかったのはハマーフイルムによる『ミイラの幽霊』版カリスたんのターミネーター的力強さなんですよね。というかミイラ男にあんな倒し方があったとは…。

夫婦間のイザコザで子どもの相手が二の次になるという大人側の精神的弱さを描くことで役に立たない大人を印象付けるとともに、それを日頃から見ている子どもが親に頼らず自分たちだけで打開策を考え何かを成し遂げようとする姿は、親の知らぬ間にいつの間にか勇敢に成長してる子どもの強さや自立、そして将来の可能性を感じさせる、さり気ないけどグッとくる演出。

そして悲劇を体で味わった老人に教えを請うキッズたちや無垢な幼女との共同作業は、偏見を乗り越えた真の意味での交流を次代へと受け継ぐ温かさを感じさせるし、怪物と少女の交流も同様に外見や印象に囚われない心と心の繋がりの大切さを訴えかけてくる。

こういったキッズアドベンチャーとしての手堅さが、単なるアホ映画で終わらない本作の大きな魅力になっていると思います。これはオススメ!『クリープス』のBlu-rayも出るようだし楽しみです♫
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