きゅうげん

13日の金曜日/ジェイソンの命日のきゅうげんのレビュー・感想・評価

2.9
ジェイソンが襲ったファイナルガールは特殊部隊の囮捜査員だった!……というツイストしたアイデアからスタート。
その後、ジェイソンは魂を憑依させる形で殺戮を続け人々は疑心暗鬼に。さらにジェイソンの腹違いの妹の存在が判明。肉親こそが悪霊調伏の鍵となるらしく、ジェイソンの姪にあたるヒロインと前夫&現恋人との三角関係のドラマも展開。ついでによくわかんないアイテム:短剣も大事なようで……。
……という大渋滞状態!

冒頭は“ジェイソンあるある”を逆張りする、クリシェを活かしたメタ・ホラーを志向した結果なのでしょうが、後続展開との断絶をかえって引き立てる問題が。
設定に難ありな『ヒドゥン』化も「“ジェイソン”が出てこない」というジャンルムービーとしての重大な欠陥を招いています。とってつけたような『ハロウィン』オマージュの肉親設定も、思いつき以上に実を結んでいません。呪術要素も謎ハンターも意味不明。
そこへ絡まる人間ドラマもまるでカタルシスなく……。メガネくんが奮戦しても「……でもあなた誰?」感が否めません。

本編があまりに“ジェイソン”じゃなさすぎて、フレディとのクロスオーバー匂わせオチも素直に喜べず……。
罪な作品です。