真一

ひめゆりの塔の真一のレビュー・感想・評価

ひめゆりの塔(1995年製作の映画)
2.0
 「あんなに美人で清楚で健気な女先生👩や女学生たち👧👧👧が、あんなに悲惨な最期を遂げるなんて、かわいそう」という感想を、観る人に抱かせる映画です。

 もう少し詳しく書きます。

 これは「兵隊さんら目上の男性🧔を献身的にお世話した可憐な大和なでしこたち👧👧👧が、あんなに悲惨な最期☠️を遂げるなんて、いくらなんでもむごすぎる!」という感想を、とりわけ年配の男性の皆さま♂️♂️♂️に抱かせる、美人薄命映画です。「彼女たちが、もし美人でなければ…」という想像は、やめておきましょう。不謹慎です(皮肉)。激動の昭和モノに登場する悲運の女性は、男♂️に従順で辛抱強い美人👩だと相場が決まっています。

 見所は、びっくりするほど美しい沢口靖子先生👩の悲しいラストです。米軍🇺🇸に包囲された洞窟🕳️の中で、絶命した女学生の手を握り、弱々しい声で「先生はここよ…」と言い残し、自らも旅立つ靖子先生。その顔にはメイク💄💋✨が施されており、身だしなみは完璧。もはや女神👸の領域です。昭和なおじさんたち♂️( ̄^ ̄)♂️の「靖子ちゃんは、やはり綺麗だねえ。ぐっときたよ」という声が聞こえてきそうです。

 光り輝く美少女・後藤久美子さん👩のひたむきな看護も、印象的です。血糊🩸と排泄物💩とウジ虫にまみれた野戦病院🏥で、手足を切断された負傷兵たちを「頑張ってくださいね」と励ますゴクミの汚れ一つないお顔と、優しい語り口に酔いしれました。私も入院時には、21世紀の医療水準を十二分に維持しつつ、ゴクミの看護を受けたいものです。

 ちなみに沖縄出身の人気ラッパー、Awichさんのようなオラオラ・クイーン系💪の女学生は、当然ながら、登場しませんでした。「鼓膜ぶち抜く12ゲージShotgun Reload満タン 言葉の散弾♪」などとバイブス👊をかまし、米軍🇺🇸にもヤマト🇯🇵にもクソ男♂️にも中指を立てるマッチョ💪学徒が紛れ込んでいたら、それはもう「ひめゆり」ではありません。悲劇のシンボル「ひめゆり」は、イメージが命。おしとやか💗なのです。

 それにしても、女学生一人一人の感情の心の機微みたいなものが、伝わってきませんでした。「先生、苦しい」「もうダメ」というセリフや、悲しみをこらえて「ふるさと」を合唱するシーンはあるけれど、個々の生き様が感じられません。要するに、キャラがシンクロ🏊️🏊️🏊️しまくっている。北朝鮮🇰🇵のマスゲームに笑顔で登場し、一糸乱れぬ動きを見せる「美女軍団」を連想しなくもないです。

 見え隠れするのが「清楚で健気な女性キャラ👧でないと、おじさん( ̄^ ̄)の支持を得られない」「純朴で心優しい沖縄人を描かないと、内地人(・_・?)の同情を得られない」という発想。既に神格化された「ひめゆり学徒」を泥臭く描けば「神への冒涜だ」として叩かれるとの懸念もあったのでは、と推察します。靖国⛩️に祀られている若き「英霊」たち👥を下手に扱えば、右翼(`皿´)に怒鳴り込まれるのではないかと危惧するように。

 いろいろと考えさせられる一本でした。あまりお勧めしません。
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