脚本笠原和夫が自作についてインタビューを受けてまとめられた書籍「昭和の劇」の中で本作に触れていた。段ボールの中に眠っているのでよく覚えてはいないが、「心身に著しい障害がある者」「口がきけない者、耳がきこえない者、目が見えない者」を散りばめて賑やかにした、というようなことを話していた。
そんなことを覚えていたのでどんなものかと。鶴田浩二(片方の目が見えない)、藤山寛美(心身に著しい障害がある/片腕)、山本麟一(心身に著しい障害がある、片足)、町田京介(目が見えない)、小松方正(心身に著しい障害がある、背中が湾曲)、山城新伍(口がきけない、耳が聞こえない)、大木実(やけど)というような具合だった。
何もそんな設定にしなくてもいいような作品だと思うけど。
冒頭で七人のシルエットが出るのだが、劇団新感線の「髑髏城の七人」のラストシーンを思い起こした。まさかいのうえひでのりは本作を観て思いついたというわけではないだろうけれど。
1966年製作公開。監督小沢茂弘 。