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埋もれ木のmasatoのレビュー・感想・評価

埋もれ木(2005年製作の映画)
4.2
小栗康平は、オリジナルのストーリーになるととても自由になる。わかる分からないではなく、感じられるかどうか。

三人の女子高生が「物語をつくろうよ」と不思議な物語を少しずつ紡いでいく。というのが、大まかな流れ。それ以外は至って自由に小栗康平のイマジネーションで映画は紡がれていく。物語を紡ぐという大筋と、ただただイマジネーションが紡がれる別の流れが入れ子状態で進んでいくので、途中からストーリーなどどうでもいいのだとわかってくる。こうなると勝手に想像を膨らませればいい。自由に映画の中を遊び始めた頃に、タイトルにもなっている埋もれ木が発見される。古代に火山の爆発で地中に埋もれた木々が地表に出てくるのだ。

そして、村は地中深く穴を掘り、公園のようにして観光資源にする。まあ、そんな大規模な地中公園なんて作れるわけがないので、ファンタジーといえばファンタジーなのだが、どうせ映画なんて、全部夢なんだからと、にやにやし始めてしまう。

小栗康平という人は、あんな不機嫌そうな顔をして、こんなもんを作るんだと思うと、さらに笑えてくる。

いいなあ、映画って。
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