千年女優

東京タワー オカンとボクと、時々、オトンの千年女優のレビュー・感想・評価

3.0
1960年代に九州は小倉に生まれて、変わり者のオトンに愛想をつかして家を出たオカンに女手一つで育てられたボク。現代、大学から上京して散々ぐうたらな生活を送ったあげくにようやくライターやラジオで飯を食っていけるようになった彼の、末期癌を患って闘病生活を送る母との最後の時間を過去への追憶とともに描いたドラマ映画です。

俳優にタレントとマルチな活躍を見せるリリー・フランキーが自らの体験を綴って本屋大賞を受賞したベストセラー小説を『深夜食堂』シリーズの松岡錠司の監督で映画化した作品で、オダギリジョーと樹木希林の熱演が評価されて日本アカデミー賞を受賞するも他賞を席巻した『それでもボクはやってない』を抑えたことが物議を醸しました。

古今東西で多くある「家族最後の時」を描く物語ですが、原作のリリー・フランキーのテレに加え飄々としたオダギリジョーが主演と葛藤が見え辛く、大量のカメオ出演はコメディなら良くても真面目なドラマとしては真剣度が疑われます。それでも流石としか言い様のない樹木希林の素晴らしい演技で散漫な作品をまとめ上げている一作です。
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