とうじ

パンドラの箱のとうじのレビュー・感想・評価

パンドラの箱(1929年製作の映画)
4.5
主人公が、めちゃくちゃ可愛いプラス男性との距離の取り方がよくわかってない(最初から距離ガン詰めでくる。結果男はほぼ沼る。)という、当時の男性優位社会において最悪の組み合わせを持っているが故に、案の定社会に噛み砕かれて吐き捨てられるという末路を描いた映画。で、後の映画によく見られるファムファタール的な存在とは違い、本作の主人公は死ぬほど純粋な女の子というのが面白いし、悲劇的。最後クリスマスの奇跡で終わるという点においても「素晴らしきかな人生」と対になる作品。あっちはクリスマスに「人生捨てたもんじゃない」と教えてくれる可愛いおじちゃん天使と出会えたが、こっちは世にも恐ろしい存在と遭遇することとなってしまう。。。
「こっちの人生は素晴らしくなんか全然ないね」と胸ぐらを掴んでくるような衝撃作ではあるが、それでも必死に人生に食らいついたヒロインを演じるルイーズ・ブルックスのカリスマ性は、100年経った今でも燦然と輝いている。
あと盛りなしで、ルイーズブルックスの目が輝きすぎてレンズフレアが起こってて、さすがにそんなことある?ってなった。
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