LEONkei

禁断の木の実のLEONkeiのレビュー・感想・評価

禁断の木の実(1952年製作の映画)
3.0
始まった瞬間、それは既に終わっている。

禁断の木の実は甘く危険な香りでココロを惑わされ、口に入れたい欲望は理性を奪い正気を失う。

絶対に上手く行かないものを本人だけが上手く行くと思い込んでしまう、そんな人々を自分は現実に沢山見てきた。


主人公の体裁ばかりを気にして来た生真面目な中年医師なら尚更、若い娘の未知の蜜の味を確かめたい誘惑に駆られ突き進む。

現実を麻痺させ幻想に侵食された男は、何を失い何を得るのか。

禁断の木の実を一度口にしてしまえば恋が実っても悲劇、実らなくても悲劇。

体裁を繕うばかりの現実世界に嫌気がさした時、人は狂った木の実を貪り夢想家になる。

始まった瞬間ではなく、始まる前から終わっている..★,
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